以前の記事で「家の性能は見た目以上に大切ですよ!」と紹介しました!
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参考ママにこそ知ってほしい!家づくりは見た目よりまずは家の性能を知ろう!
先日、ママ友たちとおしゃべりをしていたら我が家の家づくりの話になりました。 遅ればせながら我が家も家づくりの検討を始めました。 ママ友たちからは 楽しみだね~! うらやましい! と盛り上がっていたとこ ...
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家の性能には地震などの自然災害に強い安心安全のための性能もあるけれど、
コロナがきっかけでおうち時間が増えたことで「快適な家」を希望する方も増えたのではないでしょうか。
私も家で出来る仕事が増えたことで、家にいる時間が増えました!
そうなると新しい家には長い時間いることを想定して、快適な家にしたいと思っています。
今回はその「快適」な家づくりに必要な性能「温熱環境」についてお伝えしたいと思います。
そもそも「温熱環境」って何??
わかりやすく言うと「夏は涼しく、冬は暖かくて、体が「快適」と感じられる温度や湿度などの環境」のことです。
上下左右が居室で囲まれているマンションに住んでいる方はあまり実感はがないかもしれませんが、戸建ての実家などを思い出してください。
私の実家は築40年近くになりますが、夏は冷房をかけていない部屋は暑く、特に2階は熱気が籠っています。そして、冬になると暖房をかけていない部屋、特に脱衣所やトイレが寒いです。
「温熱環境」の実態
日本にある約5,000万の住宅の中の多くは、温熱環境に必要な断熱性能が30年以上前の昭和55年(1980年)省エネ基準以下と、とても低い性能になっているそうです。
国の調査によると、以下のように劣悪な環境の住宅に住んでいることになります。
- 昭和55年(1980年)省エネ基準以下の断熱性能:約7割
- リビングの平均室温が18度未満:約6割
- 寝室や脱衣所の平均室温が18度未満:約9割
出典:「省エネ住宅を学ぼう」(環境庁COOL CHOICEエコ住キャンペーン)
入浴中の死亡者数は、交通事故の志望者数よりも多い!
入浴中の死亡者数は年間1万9千人いると推計されています。
もちろん転倒などの理由も含まれているので温度差によるヒートショックによる事故だけではありません。
ただ、冬場に死亡者数が増えるので、「温度差」が引き起こすヒートショックの影響が大きいと推測することができますよね。
ヒートショックとは「暖かい部屋から寒い部屋への移動など、温度の急な変化が体に与えるショック」のことです。
下図は2つの省エネ基準住宅の各部屋の温度の違いを示しています。家の中でこれだけ温度差があるのは、体にかなりの負担になりそうですよね。
「温熱環境」の対策ってどうすればいいの?
外壁などに断熱や高性能な窓などを施すことで、外からの冷気や暖気が入りづらくしたり、家の中の冷気や暖気を逃げづらくなります。
それと同時に冬には太陽光をしっかりと入れて自然エネルギーで室内を温めたり、夏には庇やオーニングなどで太陽の熱を遮断することも大切です。
そして、最後に冷暖房などの設備に頼るのが理想的です。
下図は、それぞれの等級の断熱仕様の違いを示したものです。
断熱等級2と比較して、高性能と呼ばれるHEAT20 G2はかなり高断熱になっているのがわかりますね。
どんなメリットがあるの?
快適に過ごせる
家全体の断熱や気密性能を高めることで、家全体を快適な温度で保つことが出来るそうです。
部屋ごとに温度や湿度が変わるのは快適ではないですよね。
我が家の息子たちも冷房の効いている部屋を出て子ども部屋に行くと「暑い~」と言ってすぐに戻ってきます。
暑いから寒いからと言った理由で使わない部屋がなくなるのももったいないですよね。
冬の温度差のある家のトイレは寒いので、夜トイレに行きたくなっても我慢してしまうことがありましたが、寒かったり暑かったりで行きたくない部屋がなくなることは心身ともにストレスフリーな状態になりとても良いことです。
健康への影響や事故を防ぐことが出来る
部屋ごとの温度差で血管の収縮が繰り返されることで脳卒中のリスクが高まると言われています。
暑さや寒さで起こる熱中症やヒートショックがなくなることで起こりづらくなります。
特に赤ちゃん、高齢者、基礎疾患のある方と同居されている方は気になりますよね。
省エネはお財布だけじゃなく地球環境にも優しい!
家に太陽光などの自然エネルギーを上手に取り入れながら高断熱・高気密にすることで初期投資はかかりますが、通常各部屋に設置している冷暖房設備を1~2台に減らせたり、毎年かかる光熱費を抑えることが出来るでけでなく、冷暖房のような設備から排出される二酸化炭素も減らすことが出来て環境にもお財布にも優しいのです!
良さはわかったんだけれど、高くなるんじゃないの?
高断熱高気密の住宅と聞くと、「どれだけ高くなるんだろう…汗」と及び腰になってしまいますよね…
もちろん、最低限の断熱気密住宅と比較すると費用が高くなることは想像できますよね。
ただ、高すぎて手が出ないほどでもなさそうです。
ハウスメーカーや工務店によって掛かる費用は変わるのは当たり前なのですが、
参考までにYoutubeで高断熱高気密や省エネ住宅の普及をされているスーパー工務店の方のお話を紹介させてもらいます。
福岡で工務店「エコワークス」の代表をされている小山さんによると、
最低限の省エネ基準と比較して、
HEAT20 G1にする場合、約プラス坪1万円 延床35坪なら35万円
HEAT20 G2にする場合、約プラス坪2万円 延床35坪なら70万円
「住宅の断熱と省エネについて、すごい人にきいてみた。住まいの広さや見た目よりも大切なこと」(8:30 費用対効果はどうなのか?)
オーガニックスタジオ新潟の相模社長によると、
HEAT20 G1からG2にする場合、150万円(熱交換換気システムを含む)
「Vol.24 高気密高断熱住宅のガセネタ②」(5:38 建物の値段上がるやろ!)
これらの価格があなたの依頼するハウスメーカーや工務店と同じとは言い切れませんが、手の届かない価格帯ではないと思います。その代わりに光熱費の削減、快適で健康的な住環境、地球環境に優しい家など、プライスレスな価値も含めて検討する余地はあるかと思います。
ただ、どうしても予算に収まらないのであれば、断熱に一番大きな影響を与える窓の性能だけは高めるようにするのも手です。
「HEAT20」とは、地球温暖化とエネルギー、そして居住者の健康と快適な住まいを考え、2009年に研究者、住宅・建材生産者団体の有志によって発足した団体「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」の略称(呼称)です。(中略)室内温熱環境のあるべき姿や住宅の省エネルギー基準とは少し異なる観点から「G1~G3」という独自の断熱基準「外皮性能グレード」を提案しています。また、「HEAT20」は断熱の新しい基準の総称としても使われているのです。
出典:工務店経営の処方箋
さいごに
比較的新しいお宅に遊びに行っても「温熱環境に関する不満」をよく耳にします。
私たち女性は、家づくりと言うと見た目重視の「おしゃれな家」や便利な動線、収納、機能を重視した「機能的な家」に関心が行きがちですよね。
もちろん、「快適な家」を望んでいないわけではないのだけれど、どうすれば「快適な家」が手に入るのかがわからないだけなんです。
たまたま出会ったハウスメーカーや工務店が高性能住宅を売りにしていたらラッキーですが、知らないまま家づくりをしてしまう人もまだ多いと感じています。
この記事にたどり着いたのであれば是非、「快適な家」も検討してみてはいかがでしょうか!